植物由来のPETボトル競争、100%のゴールは遠く

2011年12月20日

コカ・コーラ社とペプシコ社とのバトルは、様々な色を持つ:茶色(コーラ)、オレンジ(ジュース)、青(スポーツ飲料)、透明色(ウォーター)。そして今、両社のバトルは「グリーン」に集中する。つまり、100%植物由来の素材から作られる、炭酸飲料用プラスチック製ボトルをどちらが先に商品化するかのバトルだ。この「グリーン」ボトル・バトルで先頭に出たのはコカ・コーラ社だった。2009年、最大30%を植物由来とするプラスチック製ボトルを採用したダサーニ・ウォーターが米国で販売開始になった時だ。現時点では、両社ともにこれに関する技術的難関を突破したことについて発表するのに躍起になっているが、実際のところ、正確にいつ実現するのか、あるいは果たして実現可能なのかどうか、両社いずれも発表するには十分に自信がある段階に至っていないのが現実だ。コカ・コーラ社は、先週末、数年後に商品化を目指す植物由来のプラスチック製ボトルの技術を三社と開発中であることを明らかにした。一方、同じく先週末、ペプシコ社は、ライバルよりも早い100%グリーンなボトル商品化を目指し、来年には20万本のサンプル・ボトルで試験実施することを発表した。
炭酸飲料用ボトルは、PETの名で知られる一種のプラスチックから作られ、このPETは通常MEGとPTAと呼ばれる2種の主要素材から成る。MEGがボトル重量のおよそ30%を占め、コカ・コーラ社が植物、現時点ではブラジル産さとうきび、を利用し生産する素材もこれに含まれる。残り70%を占めるのがPTAで、この材料が商品化を容易にさせない困難を呈していると言われる。
使用される植物については、今後、食品価格体系に影響を与えるような、プラスチック生産のために特別に栽培されるさとうきびやとうもろこしではなく、とうもろこしの鞘、松樹皮、オレンジの皮などの農業生産で不要となるものを使用することが重要だと言われる

(The New York Times, December 15, 2011)

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