容器デザイン変更で混乱招き、コカ・コーラ社、通常の赤色缶も投入
2011年12月 5日
コカ・コーラ社は、先月11月、WWF(世界自然保護基金)と提携し、特に同社のマスコットでもある北極グマ保護のための募金を含むキャンペーン活動の一環として、同社の125年の歴史上初めて白い色の缶を使用してコカ・コーラを販売開始した。しかし、この白色缶が、同社のもう一つのブランド「ダイエット・コーク」缶と似ているため混乱を招くとして、一部のファンから苦情が報告された。特にダイエット・コークをあえて飲む糖尿病を患う人が、ダイエット・コークと誤ってこの白色缶を選ぶ可能性があることが指摘された。同社は、来年2月末まで続くこのキャンペーン中におよそ20億缶を生産する計画だったが、このあとのキャンペーンでは、通常の赤色缶も加え、すでに充填していた白色缶とともに販売する。ある業界誌は、コカ・コーラ社はおそらく白色缶を14億缶すでに充填していると推測する。しかしこの苦情に即座に対応することは、コカ・コーラ社にとり非常に重要だった。なぜならば、米国の11、12月のホリデー・シーズンこそ、最も売上の上がる時期だからだ。先週末から投入されることになった赤色缶は、背景が赤色になるが、白色缶の場合と同様、キャンペーンの象徴である北極グマのデザインが施される。
これは、有名ブランドのデザイン変更の難しさを物語っていると言える。容器デザインが変わると、味すらも変わったように感じるとの声が消費者から必ず出ることも興味深く、今回もそのような苦情があったと言われる。今回の件は、2009年1月に起きた出来事を想起させる。当時、ペプシコ社が同社ブランドであるトロピカーナ・ピュア・プレミアム・オレンジのカートン容器デザインを変えたところ苦情が殺到、翌月2月には売上が20%減となるほどの影響を及ぼし、同社は即座に元のデザインに戻した(弊社業界情報2009年3月2日付に関連記事)。このデザイン変更によりペプシコ社が被った損失は3,500万ドルと言われる
(Packaging Digest, Dec. 2, 2011 / The Washington Post, Dec. 3, 2011 / ABC News, Dec.1, 2011)