米国飲料メーカーによる、子供達への宣伝の影響

2011年11月 2日

食品指針と肥満を考えるイェール・ラド・センター(米国)は、米国のソフトドリンク・メーカーの一部が、米国国内の若年層、なかでも黒人とスペイン系移民の子供達、へ向けた飲料製品宣伝を近年増やしているとの同センターによる調査結果をこのたび報告した。2008年から2010年の期間で、炭酸ソフトドリンク、果汁飲料ならびにエナジードリンクに代表される糖分を多く含む飲料の宣伝が増えており、そのような宣伝に、無防備な子供達・10代若者はさらされていると、同報告書は警告する。以下は、同報告書の調査結果の一部:
①黒人とスペイン系の子供達は、白人の子供達よりも80~90%多くこのような宣伝に接する機会がある。また、スペイン系の子供向けのスペイン語テレビ番組は、白人の子供達が見る番組よりも49%も多くこの種の飲料製品宣伝を放映している
②宣伝増加が特に顕著に見られる飲料メーカーもあれば、テレビでの宣伝を意図的に22%減らしたメーカーもある。(これに対し、ある飲料メーカーは、今年8月に他の組織により発行された報告書では、2003年から2009年の間に子供向けの宣伝を最も減らした業界は飲料業界、なかでもソフトドリンクであるとの調査結果が示されているとし、この説に反論した)
③特にエナジードリンクの宣伝に対しては、大人に比べて若年層が、テレビで18%、ラジオで46%も多くさらされている。(肥満児の増加に警告を発する米国社会では、糖分とカフェインから成るエナジードリンクを摂取しないように子供・10代若者に呼びかけている)
④さらに、最近では、各飲料メーカーは、ツィッター、フェイスブック、YouTubeを介した宣伝に、子供達をも惹きつける工夫を凝らす。テレビ・コマーシャルが30秒で終わるのに対し、このようなネット上での宣伝に対し、子供達がオンラインで何分にも留まる可能性がある。この宣伝手段は、宣伝する側にとっても大変コスト効率の高い手段である

(International Business Times US, October 31, 2011)

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