欧米製缶会社、2011年上半期の結果
2011年 9月15日
日米欧の経済不安が続く中、今年上半期、欧米主要製缶会社のクラウン社(米国)、ボール社(米国)ならびにレクサム社(英国)各社の業績は比較的安定していたことが明らかになった。
欧米市場: 2011年上半期、米国の飲料缶出荷量は、ソフトドリンクの場合で前年同期比約5%減、ビールの場合で1.5%減であった。しかし、欧州市場では、今年上半期の飲料缶需要は、ポーランド、トルコ、ドイツならびにフランスでの増加で、他国(英国等)での需要減を相殺しさらに全体として増加した。
各社の業績: 2011年上半期、ボール社は、同社がシェア第1位である欧州、そして中国で需要増を報告、全体的な缶売上は、前年同期比約20%増を記録した。クラウン社もまた、東欧を含めた欧州での飲料缶出荷量が前年同期比で11%上昇したことを報告。レクサム社は、前年失速したロシア市場が2011年に入り勢いを取り戻したことにより、また、エネルギー飲料用特殊缶の需要増により、欧州での出荷量増加を果たした。また、60%の独占的なシェアを持つブラジル市場でも、レクサム社は順調に売上を伸ばした。
現在、これら飲料缶需要が増え続けるブラジル、中国ならびに東南アジア地域にて飲料缶製造工場を操業し、また、新たに工場建設を進めているこれら主要製缶会社ではあるが、2012年には、工場建設の数は一時的であれ収まると予測されている。先進諸国以外、特に中南米、インド、南アフリカならびに東欧市場の今後も成長が見込まれる市場にて地位を固めるための資源を、これら主要製缶会社は持ち合わせている。その点が、他の多くの業界と異なる点と言える
(The CanMaker, September 2011 Issue)