RTDコーヒー、中南米市場

2011年 8月18日

缶、PETボトルならびにカートン容器に詰められ販売されるコーヒーいわゆるRTDコーヒーの市場は、スポーツ・ドリンクやアイス・ティーと比較すると、世界レベルではまだ小さい。それにも関らず、世界全体の販売数量は、2010年度38億リットルで、エネルギー飲料の44億リットルと大差があるわけではない。実は、RTDコーヒーの世界的消費は、その85%がアジア・パシフィック地域に著しく集中している。これは他の主要飲料カテゴリーと比べてもめずらしく、例えば、エネルギー飲料の場合、その消費量傾向は、北米市場では15億リットル、アジア・パシフィック地域が15億リットル、東西欧州が10億リットル、そして残りの4億リットルが世界のその他の地域に散らばっており、各市場で均衡の取れた消費を形成している。世界的な消費量の伸び率から見ても、RTDコーヒーのペースはまだ遅い。2005年から2010年の5年の間、RTDコーヒーの販売数量増加率は8%であるのに対し、スポーツ・ドリンクは同時期12%増、アイス・ティーが同29%増、そしてエネルギー飲料が同59%増。RTDコーヒーが期待をかける市場は中南米だ。世界の主要コーヒー豆生産国が集中する中南米は、2005年から2010年の時期、世界で最も高い経済成長を遂げている国々を含む地域でもあるが、RTDコーヒーの存在感は薄い。唯一メキシコで販売数を伸ばしている。その理由は、自動販売機の開発・増設によるもの、そして、伝統的なコーヒーとは違うことをむしろ強調し、若者にターゲットを絞っている点、と言われる。人口の若い中南米諸国において、RTDコーヒーの成長は大きく期待されている

(FoodBev.com, August 17, 2011)

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