リラクゼーション・ドリンク、米国で売上伸ばす
2011年 7月25日
ここ10年間、エネルギー飲料を摂取し続けてきた米国人に、リラックスする時間が訪れたようだ。「リラクゼーション・ドリンク」と呼ばれる飲料が、規模は小さいながらも、最近、その売上を順調に伸ばしている。飲料の名も「バケーション・イン・ボトル」、「ドリーム・ウォーター」などリラックスさせるような名前だ。現在、最も人気のあるリラクゼーション・ドリンク・ブランドは、「Drank」、「パープル・スタッフ」、「ジョーンズGABA」、そして徐々に人気を伸ばしている「スロー・カウ」。このようなブランド名は、エンジン全開イメージのエネルギー飲料のブランド名、レッド・ブルやモンスター等と非常に対照的だ。リラクゼーション・ドリンクの2010年度売上は、2008年度売上の倍となる1億2,700万リットルで、2014年には3億リットルを超えると予想される。この数字は、エネルギー飲料の例えば2009年度の売上13億5,000万リットルに比べるとまだはるかに少ない。リラクゼーション・ドリンクは、筋肉の緊張をほどき、主なストレス・ホルモンであるコルチゾールのレベルを軽減することにより、身体を落ち着かせる効用が期待できると言われる。飲料にアルコールは含まれず、主な成分は、眠気の誘因となるホルモンの一種、メラトニン、緑茶に多量に含まれるアミノ酸の一種、テアニン、興奮した神経を落ち着かせるギャバ(GABA)、ビタミンB、カモミール等。しかしドリンクに含有されるこれらの成分は、効果を充分に発揮するには少量過ぎる場合もあるため、リラクゼーション・ドリンクが今後長期間成長を望むのであれば、その効用を証明する飲料でなくてはならない。なぜなら、消費者が効果がないとひとたび感じれば、それは売上にすぐに影響を及ぼすからと、飲料リサーチ・グループ、ゼニス社(英国)はコメントしている(弊社業界情報2009年7月13日付に関連記事)
(Reuters, July 19, 2011)