インベヴ社による買収と地ビール人気で、薄まる地元のバドワイザー忠誠心
2010年11月15日
米国セント・ルイスのメジャー・リーグ・チーム「セント・ルイス・カージナルス」を応援するファンは、地元ブッシュ・スタジアムで過去には想像しえなかったことを最近目にするようになった。数ヶ月前までは、バドワイザーの生みの親アンハイザー・ブッシュ(AB)社の名を冠したこのスタジアム内で、セント・ルイスの地ビールSchlaflyドラフト・ビールを売る場内売店は1店だけであったが、今は8店が人気の高いこの地ビールを販売している。地産ビールを飲みながら地元チームを応援することほど気分のいいことはないと、あるスポーツ・ファンは言う。1852年から世代を経て続いてきたバドワイザーへの忠誠心は、2008年のインベヴ社(ベルギー)によるAB社買収をきっかけに弱くなりつつある。Schlaflyに代表される小さな地ビール・メーカーにとっては、全国的に高まる地ビールへの関心に乗じて、今こそがチャンスとなる。セント・ルイスで「バド」を飲むことは、デトロイトでフォードやクライスラーを運転するようなものだった。地元バー、レストラン、料理出張サービス業者らは、地元大企業やそのファンの機嫌を損ねるようなことを出来るだけ避けてきた。しかし、2008年11月、インベヴ社によるAB社買収で1,400人、うち3/4がセント・ルイス居住者、の職が失われた。今、AB社を地元セント・ルイスの企業として愛着を持って見る人は明らかに減ったであろう。米国での地ビール売上は、今年10月までの期間で、前年同期比13%増を記録する一方、米国最高の売上を誇る「バド・ライト」は約3%減少した
(Courier-Journal.com, November 13, 2010)