アフリカ、メジャー・ビール・メーカーが狙う次の市場

2010年 7月 6日

北米や欧州のビール生産が下降傾向にある中、アフリカは、世界全体のビール生産量の5%を占め(2008年末時点)、前年の4.4%から上昇した。しかもこの数値は、アフリカの村々で長年消費され、販売され、あるいは物々交換されている、家庭で作られる「ビール」は含まれていない。この慣習からもわかるように、アフリカ、中でもサハラ砂漠以南に住む、イスラム教徒ではないアフリカ人は、昔からビールを非常に好む。さらに、近年、アフリカの経済的発展も報告されているにも関わらず、多くのアフリカ人が店頭で販売されるメジャー・ブランドを購入する余裕がないのが実情だ。アフリカのビール市場を現時点でほぼ独占するSABミラー社は、ビールのコストを徹底的に抑えることが、アフリカでの最重要戦略だとする。そのため、SABミラー社は、ビール原料を本来の大麦から地元で収穫できるソーガムなどに代替するプログラムを実施することで、輸入税を含めた原料費を削減するばかりでなく、地元住民への職の提供、税収入の増加も実現する。同社は、また、現地の包装メーカーが作るボトルを積極的に購入し、アフリカ内の整備不十分なインフラゆえに高くつく輸送費の出来る限りの節約を図る。SABミラー社は、現在、アフリカ大陸15ヵ国に生産拠点を持ち、さらに、他の18ヵ国で、中央アフリカならびに西アフリカ地域のフランス語圏に多くの拠点を持つカステル・グループと提携し事業を行なう。この新市場の地にて、メジャー・ビール・メーカー間の競争は激しくなると予想されるが、中南米地域にそのシェアを広げ、ワールド・カップ・サッカーを後援するアンハイザー・ブッシュ・インベヴ社が、アフリカでは、現時点でほとんど事業を行なっていない

(Los Angeles Times, July 6, 2010)

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