米国地ビール・メーカー、規模拡大でもはや地ビール・メーカーではなくなる?
2010年 6月10日
1984年に米国ボストンで創業し、今や著名な地ビール「サミュエル・アダムズ」を創り、地ビール産業を盛り立ててきたボストン・ビール社は、その「地ビール(craft beer)」のカテゴリーを越える寸前にある。少なくとも米国ビール協会による「地ビール・メーカー(craft brewer)」の定義によると、だ。その定義とは、年間生産量を200万バレル超えないメーカーとしている。政府も同様の定義により、その枠に入る小規模ビール・メーカーに対し、より低い税率を課す。「地ビール・メーカーではないとしても、我々は確かにバドワイザーのようなメジャー・ビール・メーカーでもない」と、ボストン・ビール社Koch社長はコメント。同氏によると、このまま順調に行けば、2012年には200万バレルの境は越えるとのこと。しかし、その前に状況は変わるかもしれない。民主党議員ケリー氏らが、小規模ビール・メーカーの年間生産量制限枠を600万バレルに上げる法案を昨月提出したからだ。さらにこの案には税率を下げることも含まれる。Koch氏は、ボストン・ビール社が将来法律的にどの範疇に入ろうとも、サム・アダムズは永遠に地ビールだと言う。彼曰く「地ビールとは、暑い日にのどの渇きを潤すために飲み干すタイプのビールではない。フレーバーにこだわりを持つビールのことだ」
(The New York Times, June 8, 2010)