ドクターペッパー、ペプシコ社とコカ・コーラ社両社による販売継続

2010年 6月 8日

ドクターペッパー・スナップル(DPS)社(米国テキサス州)は、同社ブランド販売において、自社のボトラーや販売網だけでは充分ではないため、同社飲料の大半を、米国では長年、ペプシコ社のボトラーならびにコカ・コーラ社のボトラーを介して流通させていた。最近、ペプシコ社とコカ・コーラ社それぞれが自身の米国最大のボトラー北米部門を買収することを決めたことにより、DPS社とそれまでの契約を結んでいた各ボトラーに替わり、コカ・コーラ社とペプシコ社各社が、DPS社ブランド流通権利継続を図った。まずペプシコ社が、昨年12月に9億ドルで、DPS社ブランドの今後20年間にわたる販売契約を締結、そして本日、コカ・コーラ社が、DPS社へ7億1500万ドルを支払うことで、今まで通り同社流通システムを通じての販売を今後20年間継続することを発表した。コカ・コーラ社は、さらに、同社の最新タッチスクリーン式飲料ファウンテン機「フリースタイル」に、コカ・コーラ社ブランドではない製品として唯一ドクターペッパーならびにダイエット・ドクターペッパーを加えることも明らかにした。米国炭酸飲料市場の6分の1(コカ・コーラ社、ペプシコ社に続く第3位、16.4%)のシェアを持つドクターペッパー・ブランドは、特にテキサス州を始めとする米国南部で人気が高く、忠誠心の高いファンが多いことで知られる。2009年、米国で炭酸飲料売上低迷が続く中でも、同社は売上を伸ばした。一方で、同社の売上高の90%以上が米国内から生まれるものであり、またもはやトレンドではなくなった炭酸飲料への依存度が高すぎること、そして、今後は同社の持つ非炭酸飲料ブランド販売に注力する必要があることを指摘するアナリストもいる。同社ブランドには、ドクターペッパーの他に、7UP、カナダドライ、Snapple、Mott's、Yoo-Hoo等がある

(Atlanta Jounal-Constitution & Forbes, 2010 June 7 / The Wall Street Journal, June8, 2010)

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