コカ・コーラ社とペプシコ社、ボトルド・ウォーターで苦戦

2010年 2月 4日

水をブランド・イメージで包み製品に変えて売るというコンセプトは、少し前まではコカ・コーラ社、ペプシコ社に驚くべき利益をもたらしていた。コカ・コーラ社にとり最も高い買物となった2007年のビタミンウォーター・メーカー、グラソー社の41億ドルの買収は、その状況を反映したものだ。今、ボトルド・ウォーターが、コカ・コーラ社とペプシコ社の心を弾ませることはない。昨今の経済不況で、消費者は完全な節約モードにあり、ボトルド・ウォーターを購入したとしても、低価格のプライベート・ブランドを選ぶ傾向が顕著となっている。コカ・コーラ社の代表ブランド「ダサーニ」は2009年初頭から9ヶ月間に売上が22%減、ペプシコ社の「アクアフィーナ」も同時期9%減、一方プライベート・ブランドは12%増を記録した。ウォーターは、ソフト・ドリンクとは異なるマーケティング上の難しさがある。ウォーターは基本的に不特定の水であり、メーカー間での違いは全てイメージによるものだけだからだと、ある関係者は言う。ボトルド・ウォーターのブランドが、消費者の忠誠心を維持し、景気が上向いてきた時に、低価格に慣れた消費者を戻すことができるのか?巨大メーカーが売上を戻すためには、プライベート・ブランドとの価格差を今後更に縮める必要があると見る関係者もいる。例えば、プライベート・ブランドの倉庫までの輸送システムに比べ高くつくコカ・コーラ社ボトラーによる小売店直行の輸送システムを含め、コカ・コーラ社やペプシコ社がそのような独自のシステムを変えることが可能か?他方、この分野のリーダー、昨年9ヶ月間に4.5%売上増を果たしたネスレー・ウォーターズ北米社は、徹底した生産コスト削減を図っているという

(Packaging Digest, 2010 Jan., 31)

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