ペプシコ社、ボトラー買収で目指すもの
2009年 8月11日
買収価格をめぐり決着まで数ヶ月を要したものの、今月初旬、ペプシコ社は、同社ボトラー2社、ペプシ・ボトリング・グループならびにペプシアメリカズ社、を78億ドルで買収する(弊社業界情報2009年4月23日に関連記事)。この買収により同社の米国流通網80%をカバーする。流通は大きな資本を要する事業のため、何年も前にペプシコ社、コカ・コーラ社ともにこの事業を切り離したが、ペプシコ社は、この時期、むしろ統合することにより、経費削減を図り、新製品開発事業に注力する。ペプシコ社、コカ・コーラ社ともに新製品開発の機会を逃すことは多く、その結果、新製品ですでに成功を収めた企業を買収することになる。ペプシコ社の場合、ゲータレードやソービーの買収がそうであった。今、急成長を遂げるエネルギー飲料などの新分野は、巨大コーラ企業の傘下にないレッドブル、モンスターなどのメーカーにより独占され、長年飲料市場の中心であった炭酸飲料分野を上回る結果を出し続ける。ペプシコ社のような巨大飲料メーカーは、コーラという大ブランドを維持しながら、新しい飲料開発を育む必要に迫られる。流通をより管理する一方、大学やシンクタンクともパートナーを組むなど新製品開発・販促に柔軟でいることが、ペプシコ社の目指すところだ
(Newsfactor, 2009 Aug., 6)