SABミラー社、アフリカ市場向けに安価のビール醸造を目指す
2009年 4月14日
ビール市場としては比較的未開拓なアフリカは、SABミラー社も注目する市場だ(弊社業界情報2009年3月26日に関連情報)。3億1500万人の人口を抱えるアフリカ市場は、製品の価格そして物流が大きな課題となる。アフリカでは、家庭で作る「非公式なビール」の市場が、SABミラー社の同地での売上高の4倍、30億ドル以上、の価値があると同社は推定する。SABミラー社は、各地域で栽培される原料を利用することで、標準のラガーにかかる費用の50~60%でビールを醸造し、その非公式な市場の多くへ到達することを目指す。このような現地での原料調達によるビール醸造は全く新しい方法ではない。SABミラー社ならびにアフリカでの同社ライバル、ディアジオ社両社ともに、グレイン・ソルガムですでにビールを醸造している(弊社業界情報2008年1月10日に関連記事)。SABミラー社は、2002年には、ソルガム・ビール「イーグル」を発表、今ではアフリカにおける同社の二大ブランドのひとつだ。現地の原料を使用することで税の優遇を受け、輸入ビールよりも格段に安く販売する。この方式を応用し、同社は、2005年、インドでのビール醸造のため、大麦栽培を促進した。現在、アフリカでもアンゴラ、エチオピア、モザンビーク、ザンビアで大麦栽培の可能性を調査する。経費削減のために包装費にも注目。同社は、最小限のラベル使用から、厚紙や折り畳み式プラスチック容器の試験的利用まで、あらゆる可能性を模索する。同社は、2002年のミラー社(米国)との合併以前は、南アフリカン・ブリューワリーズ社として知られ、現在、総利益の35%をアフリカ市場から得る
(News Factor, 2009 April 10)