リサイクル業界、厳しい現状
2009年 3月17日
世界的経済不安の影響はリサイクリング業界にも及んでいる。これまで中国と取引をしていた欧米の使用済み材処理会社は、今では、中国に到着した出荷物引き取りを拒否される事態にも直面する。このような影響は、世界最大の使用済み材輸入国である中国に顕著に見られる。米国は、昨年、1,160万トンの回収紙・厚紙を中国に輸出した。2007年では、米国は、220億ドルに値するリサイクル可能素材を世界152ヵ国に輸出したが、現時点では、その価値は50~70%へ減少している。財政引き締めに向う米国地方自治体ではリサイクル・プログラムそのものの見直しを図るところも出てきており、最悪の場合、これまでリサイクル目的で輸出されていたコピー紙や飲料缶がゴミ集積場で終わりかねない現状を、環境保護団体やリサイクリング専門家は憂慮する。一方、中国では、消費できる以上のゴミをこれ以上受け入れる必要があるのかとの疑問の声も上がる
(International Herald Tribune, 2009 March 13)