アルミ飲料缶、50歳を迎える
2009年 1月22日
今週、アルミ飲料缶は50歳になる。1959年1月22日、米国コロラド州のビール・メーカー、アドルフ・クァーズ社は、同社のビール容器として、それまで使用していたブリキ缶に代わる2ピース・アルミ缶を、世界で初めて使用した。初のビール用アルミ缶は7ozサイズと小さく、しかし、試験販売されたデンバーでは、特に女性の間で、ビールを長時間冷えた状態に保つとして好評を博した。50年代にこの開発に直接関わり、その後同社のCEO・社長に就任、93歳になった現在もテクニカル・アドバイザーを務めるビル・クァーズ氏は、当時を振り返り、その頃のビール容器であったブリキ缶が、初の使い捨て容器であることから(それまでは返却可能なビンだった)、米国中至る所にブリキ缶が捨てられているのを目の当たりにし、次世代の容器-アルミ缶-開発の必要性を感じたと言う。アルミ缶は、ブリキ缶に比べ、安くリサイクルし易いため、消費者・企業は捨てずにリサイクルすることに充分価値を見出せた。また、同氏は、ビールの味に影響を与えると苦慮した、ブリキ缶に施されるパスツリゼーション殺菌工程を排除したかったことも、より洗浄し易いアルミ缶に辿り着いたきっかけのひとつだと言う。90年代までにはクァーズ社は世界最大のアルミ缶製造工場を操業し、年間およそ40億缶を生産するにまで至った。クァーズ社のアルミ缶は、人々のビールそしてその他飲料の飲み方を永久に変え、さらに、シート・アルミ、アルミのリサイクルなどの全く新しい市場を切り開いた
(Rocky Mountain News, 2009 January 22 / The CanMaker, 2009 January 21)