ミラー・チル vs バド・ライト・ライム

2008年10月 7日

2007年に発表された、ライムとソルトを加えた軽めのビール「ミラー・チル」は、ミラー・ブリューイング社の最も成功した製品と言える。しかし、今年5月大々的な宣伝のもとアンハイザー・ブッシュ社により発表された「バド・ライト・ライム」の挑戦に脅かされ、今年の売上は、昨年同時期に比べ47%の落ち込みを見せた。ビールからワインやスピリッツに移行した消費者も注目したミラー・チルは、ミラー社の年間総売上の1.2%しか占めないが、小売価格を高めに設定しているため利益率が高い優秀ブランドとなった。一方のバド・ライト・ライムは9月末現在で同社の3.6%売上増に貢献した。アンハイザー・ブッシュ社によると、バド・ライト・ライム売上好調の理由は、バランスのとれたミラー・チルに比べ、ライムが強く多少甘めである点が消費者の求めるものに合致したと分析する。アンハイザー・ブッシュ社は米国市場では50%弱のシェアを占めるが、ミラー社は18%。今年立ち上げられたジョイント・ベンチャー、ミラークァーズ社によりそのシェアは29%になるが、その配送ネットワークを充分発揮するには至っていない。これから迎える冬を、両製品がどのように乗り切るか注目だ

(Milwaukee Journal Sentinel, 2008 October 6)

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