インベヴ社の課題
2008年 7月15日
アンハイザー・ブッシュ・インベヴ社を創出するこの買収は、450億ドルの借金を残す。そのため、アンハイザー・ブッシュ(AB)社所有のシーワールドやブッシュ・ガーデンを含むテーマ・パークの売却、AB社の包装事業の分離、また、AB社の得意とする販促活動の費用削減、も噂される。AB社ブランドと、小売店・ガソリンスタンド・バー等を仲介し、AB社と強力なつながりを持つ、米国内600以上のビール流通業者から成るAB社ネットワークへのインベヴ社の対応も注目される。この買収は、バドワイザーの世界市場拡大の成功を想定して成立する部分が大きい。世界で最も売れているビール、バドワイザーは、すでにカナダ・中国でも主要ビールの地位を築くが、ビールが国境を超えその地でメジャーになることは容易ではないことは、ラテン・アメリカで最大売上を誇ったブラマ・ビールの世界的展開を狙い、結局成功を果たせなかったインベヴ社自身の経験からも実証済み。しかし、両社合わせると、世界主要ビール市場のうち5ヵ国(ブラジル、中国、ロシア、ドイツならびに米国)ですでに売上上位を保つ点をインベヴ社は強調。インベヴ社の存在は大きいがAB社はそうではない、ブラジルからウクライナに至る19ヵ国に、バドワイザーを送り込む
(STLtoday.com, 2008 July 15)