ビール、米国で値上げ
2007年 7月 3日
米国人は、1年の中で7月4日独立記念日に最もビールを飲むという。そのビールの小売価格は、今年5月、前年比3%という、21年ぶりの最高率の値上げを記録した。値上げの主な理由は、大麦を原料とするモルトの価格高騰。米国内では、年初より17%上昇し、過去11年間で最高値を記録。エタノール需要増のため、農家が大麦を含む穀物用農地を収益性の高いとうもろこし用に転用している。また、家畜の飼料となるとうもろこしも減るため、飼料として代用可能な大麦を含む穀物の需要が増加。ビール醸造には米、小麦、とうもろこしを含む様々な穀物が使用されるが、上記の理由で、それら全てが値上がりしている現状だ。さらに、アルミ、エネルギー、紙、輸送ならびに労働力の費用も上昇。米国では、ここ数年、輸入ビールや地ビールの人気から、価格に関わらず気に入った製品を購入するという消費者動向に変化がうかがえる中、ビールメーカーにとり、90年代のビール安値傾向以来のこの値上げ機会そのものは悪い話ではないかもしれない、が、コスト増を完全にカバーするほどの値上げは、競争の激しさが更に増す今のビール市場では、実施できそうにないとあるビール・メーカーは言う
(USA Today, 2007 July 2)