アジア・パシフィック・ブリューワリーズ社

2006年11月15日

その成長から見えるアジア全体のビール市場の成長
シンガポールを拠点とするビール・メーカー、アジア・パシフィック・ブリューワリーズ(APB)社は、9月30日締め2006年度の収益が、昨年度比でおよそ15%伸びたことを発表した。
APB 社報告によると、2006年の成長は、インドシナ地域、特にベトナムとカンボジア、でのビール売上増加によるところが大きい。同社は、今年9月に、ベトナムのフォスター社ビール工場2工場を吸収し、翌年も引き続き同国における売上を伸ばすことが期待される。また、ラオスに建設中のAPB社ビール工場が 2007年末に稼動予定だ。APB社によるこれらの投資は、インドシナ地域のビール市場における同社の存在を確固たるものにすると見られる。
シンガポールならびにパプア・ニューギニアは、インドシナ地域に続き同社の今年度売上を伸ばした市場だ。
タイでは、APB社新ブランドビール、チアーズ、導入により、昨年度比6%の伸びを記録する一方、同社とハイネケン社(オランダ)とのジョイント・ベンチャーを通じ販売するハイネケン・ビールが、タイのビール市場の高級ブランド・セクターで、高い占有率を示す。APB社独自ブランドのタイガーは、タイのビール市場におけるブランド確立に2006年を費やす。
タイガーは、現在60カ国以上で販売されている。特に英国では、アジアからの輸入ビール中最も高い売上を記録。英国で、「クール(格好いい)ブランド・リーダー」に、 2004年から3年間連続して選ばれるほどの人気だ。
タイガーは、米国では昨年度比142%の伸びを示す。今年5月に、アンハイザー・ブッシュ(米国)社をタイガーの米国への輸入販売社とする契約を締結したことにより、今後、タイガーの米国での存在は更に高まると見られる。
現在、APB社は、10カ国にて28のビール醸造工場を稼動している。2007年から2008年には、中国、モンゴル、ラオスならびにインドそれぞれの新工場の稼動開始により、この数は、12カ国、 34のビール工場に増える予定だ。
(ChanelNewsAsia, 2006 November 10)

(Food Industry News, 2006 November 10)

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