缶ボディメーカー機搭載のウレタン製ツールパック

2005年 2月 1日

プライド社は、ウレタン製スプリングを装備した新ツール・パックを発表しました。 このツール・パックは、B6ボディーメーカーに搭載され、384cpmの速度にて1年間順調に稼動している実績を有しています。 製缶会社は、この製品を非常に高く評価しています。

ウレタン材質が使用されたこのツール・パック・モジュールにはいくつかの利点があります。 例えば、優れたフランジ厚制御、裂けの減少、ダイの延命化等のフローティング式ツール・パックの持つ利点全てを備えた上、このツール・パックは下記利点も提供します。

  1. リング・マーク減少: フローティング式ツール・パックは、しばしば、ダイ振動が原因で缶胴にツーリングのマークを残してしまう場合があります。 ウレタン素材には、車のバンパーの様に衝撃を吸収緩和させる効果があります。
  2. ウレタン製スプリングの劣化速度は非常に遅い為、スプリング不良が突然発生せず徐々に劣化する事により、オペレータに長い交換準備期間が与えられる事になります。
  3. ツール・スチール製のピンには、ダイ・リングとの間に非常に大きな接触面が与えられています。この大きな接触面のおかげで、リングはより自由に回転し、非常に長い間、ダイ・リングの外径にマーキングを残す事無く、あるいは損傷させる事無く長期間の使用に耐えます。
  4. ボディメーカー・クレイドル上にモジュール設置されている外周部にウェア・プレートが取り付けられています。 このプレートの硬度は非常に高く、又、交換可能な構造になっています。

このツール・パックは、ダイ・リングを浮遊させる目的でウレタンあるいはゴム材質が使用された従来のツール・パックとは全く異なるユニットです:

  1. ウレタン製スプリングは、ダイには直接接触していません。 スプリングが直接ダイに接触する代わりに、大径のピンが使用されています。 ウレタンあるいはゴム製のスプリングがダイと直接接触していると、スプリングはダイからの振動を絶え間なく受ける為、比較的短期間にしかも偏磨耗する傾向にあります。 ダイ・リング近辺のウレタン材のみが、スプリング効果を発揮していた事になります。
  2. さらに重要なことは、このピンが非常に正確に停止することです。 これらのピンは、研磨された面上のキャビティに固定され、スプリング/ピンによりダイがセンターを越える位置まで押されてしまうことを防止します。

プライド社の供給する新ツール・パックにはカバーが取り付けられていません。 その理由は、ダイ交換の際のモジュール・カバーの取り外しや、交換後の再取り付けにあまりにも時間がかかるという苦情が客先から寄せられていたからです。 以前カバー内に収納されていたユニット(エア・リフト・オフやクーラント分配装置)は、モジュールの前面あるいは背後にあるスペーサーに移動されました。

プライド社は、ラグズデール・ボディメーカー用として新ツール・パック・クレイドルを発表しました。 このクレードルを使用する事により、モジュール型ツール・パックをプライド社供給のフローティング式ツール・パックの様に使用することが可能となります。このツール・パック・クレイドルもまた1年以上順調に稼動している実績を持っているとのことです。

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